江戸時代中期の1770年代、笠間焼初代久野範衛門の住居として建築された伝統日本家屋。生活機能をよくするために主要部の間取り変更と断熱改修をしました。
建築概要
2019年 改修工事 茨城県笠間市箱田
周囲は山林に囲まれ江戸時代から変わらぬ風景が保たれ、 それぞれの時代を住人によって維持されてきた風格を感じさせる。
旧天井を剥がし小屋梁の骨格を現しにした。新たに部屋全体を断熱材で覆い床暖房を設置した。
Before:昭和になり改修された以前の台所兼食堂。 北側に面し薄暗く寒い。
奥の右側がキッチン。以前は壁で塞がれていたが、硝子引戸を入れ開放された空間に改修した。
アイランド型オールステンレスキッチン(ゲートスタイルキッチンS-1)を採用。
長年踏み固められた三和土(たたき)はそのまま維持。主人は若手作家のギャラリーに利用したいと考える。
正面のガラス障子を開けると、洗面所を通して北側の景色を楽しめる。
改修前のオエ(現在のリビング)
仕切り上部の欄間は透明ガラスを入れ小屋梁の姿を印象付ける。骨董の箱階段で土間上の中二階(個室に改修)へと出入りする。
正面引戸は浴室の脱衣所になる。洗面器ボウルは久野陶園14代目慶子氏の焼き物でカウンターは主人が自作した。
Before
奥座敷は近年手を加えられた部位を修繕し元の形体に復元した。
江戸時代中期の安永年間(1770年代) 笠間焼初代 久野半右衛門の住居として現在に至る 2014年 建物所有者が移り、屋根(茅)の葺き替えを実施 2019年 改修工事:台所食堂、居間、オエ、浴室、洗面、トイレ等 オーナーは古民家を取得して週末を過ごし、手を入れていて英気を養うとともに古民家の維持を行っている。